システムズ フォーミュレート

 昨晩、鈴木さん、Iくんと飲んでいて、パソコン時代の伝説の人「渡辺昭雄さん」の話になった。きっかけは日曜日の一周忌でご一緒した藤井さんからの「渡辺さんは両手で同時に、黒板に文章を書いた」という伝説。幅広ドット・インパクト・プリンターの2行同時打ちのようなイメージである。

 渡辺さんは30年前、富士通オフコンVシリーズの開発を担当され、その後、東京駅八重洲口近くの第一勧業銀行が入っているビルで、パーソナル・コンピュータの販売会社「システムズ フォーミュレート」を創業された。日曜日にセミナーが開催され、私は、コモドール社のPET(Personal Electronic Transactor)やTI(テキサス・インスルメンツ)のスピーチ装置など、そこで初めて見た。

  

 ホワイトボードに「古河鉱業富士電機富士通⇒システムズ フォーミュレート」と書かれたのを覚えているが、残念ながら富士通を超えることなく1983年4月に会社が終了した。

 8ビットのFM-7、FM-8の時代に、これをベースにしたバブコム80というオリジナル・パソコンを販売され、月刊アスキーにも、よく宣伝が載っていた。バブルメモリという特殊なメモリデバイスを搭載していたが、泡のごとく会社も消えてしまったのが惜しまれる。

 パーソナルコンピュータやインターネット業界はユニークな人材を多数輩出しているが、渡辺さんのベンチャー魂は、数回セミナーに参加しただけで充分、伝わってきた。