北京大学 信息管理系

 午前中、北京北東部の空港高速道路の入口付近にある、中国国際展覧中心へ。最初に乗ったタクシーは接触事故で乗り換えたが、そのロスよりも交通渋滞で、20分の道のりに60分かかって到着。北京国際ブックフェアの件は明日、報告する。

  

 会場の隣のフランス系スーパーマケット、カルフールの軽食カウンターで4元の坦々面を立ち食い同然で食べて、北京大学に向かった。北大は北京の北西部、タクシーで40分ほどで到着。図書館前で李先生と待ち合わせだったので、校内まで入ってもらったが、東大本郷の数倍の敷地には、未名湖という、三四郎池の数十倍の人造湖もある。東大の赤門風の西門の「北京大学」は毛沢東図書館は鄧小平、創価学会が寄付した歴史館は江沢民が大きな看板文字を書いている。

 ほぼ全寮制なので、学生寮や教職員の住宅地区もあるが、スタンフォード大学よりは小さいと感じた。一つの街になっており、近くの中関村には、方正などの北大系ベンチャー企業秋葉原風のパーツ屋が集まっている。

 9月1日は入学式で、王学部長は忙しくされていたが、90分ほど日本と中国の書籍デジタル化情報について意見交換した後、5階建ての立派な図書館【写真】を見学させていただき、北大のホテル(ゲストハウス)で会食。14:30から19:00まで、貴重な時間をいただいて、中国の図書館と出版社の関係、デジタル化状況、GBKと外字、デジタル・コンテンツ企業、北大方正と清華同方、7億文字の四庫全書プロジェクト、デジタル・ジャーナル、中国のデジタル・ライブラリー、著作権とデジタル化などなど、とても興味深いお話を伺った。

 若い王学部長は、会食の後、仕事に戻られた。新入生は3000名、大学院の新入生は3600名と、人数でも東大を凌駕している。

  

 北大信息管理系は、学部生450名、教員39名、職員10名の大所帯で、情報学、情報検索学、図書館学、出版・編集、読書研究、デジタル・コンテンツなどの領域を担当している。学部生の8割は大学院に進学するが、博士号を取得し研究の道に入る人は僅かで、大半は修士で就職するとのこと。

 就職先はコンピュータ企業や出版社、図書館などで、卒業生の中には、検索ソフトで米国ナスダックに上場し、学生を40名以上採用してくれて、講座を寄付してくれた人もいるとのこと。

 食事中に日本電子出版協会の話をしたら、共同研究でもやりませんか?とのお誘いがあった。私からは、日本の印刷会社や出版社への人材供給を提案した。

  

 お土産に紹興酒を飲むのにピッタリの江戸切子ペアグラスを持参したが、王先生は一滴も飲まれず、李先生も最近は控えているとのことで、ちょっと失敗。

 昨日は蒸し暑かったが、今日は日中の陽射しは強いものの、湿気はなく快適。李先生によると、これから北京は急速に秋が深まるとのこと。中秋の月餅がホテルやお茶屋さんで売られていた。