1/6タマタマ紙だったのか?

 「たまたま紙だった」というタイトルのセミナーを2000年から3年間、日本電子出版協会(JEPA、http://www.jepa.or.jp)主催で行っていた。その年の電子出版界での様々な出来事を年末に総括し、紙面から画面へ、印刷・製本からインターネットへの流れを検証する催しであった。

http://www.est.co.jp/ks/dish/0112ebook/index.html

http://www.est.co.jp/ks/dish/0212ebook/index2.html

 出版は、感動や情報や知識を提供する活動で、たまたまグーテンベルグ以降の550年間、その媒体を「紙」が担っていただけで、今後は「インターネット」がその役割を担うと結論づけていた。

 しかし、この「インターネットが全てを変える」というIT産業の自惚れはネットバブルの崩壊と共に消滅した。2000年をピークとした、米国のアドビ・イーブック、マイクロソフト・リーダーなどの読書ソフトは開発が収束し、ジェムスター、フランクリンなどの読書端末も出荷を停止した。

 たまたま紙だったわけではなく、「またまた紙だった」ということで、米国での電子書籍は衰退したが、昨年あたりから日本の読書端末、ブログ、ソーシャルネットワーク、電子雑誌など、インターネット上に様々な動きが出てきたので、それをご紹介する。