オールナイトニッポンの亀渕さん

 ニッポン放送の亀渕社長は、高校時代の私のアイドルだった。受験勉強にかこつけて夜更かしをして、東京からの弱い電波をソニートランジスターラジオで受けていた。

 「ニュー・ミュージック・マガジン」(現在のミュージックマガジン)が創刊され、そのロック評論家としても活躍されていた。亀渕さんと北中正和さん、中村とうようさんの音楽的な嗜好と波長が合ったので、彼らが薦める音楽ばかりを聴いていた。

 私のリクエストを読んでもらったのを覚えている。曲はシカゴの「長い夜」(25 or 6 to 4)。「サードアルバムが楽しみです。100点の次は何点になるのでしょう」という内容だった。ニュー・ミュージック・マガジンの評価で、シカゴの2枚目のアルバムに亀渕さんが100点満点をつけ、そのことをハガキに書いたのである。

 妹さんが歌手で、「兄の私がディスクジョッキーではなく、作曲とピアノだったら・・・」などと、カーペンターズを意識したジョークも覚えている。

 2000年11月1日、インプレスさんの上場記念パーティーでお見かけしたが、DJ(パーソナリティー)時代のラジカルな発言や、デジタルラジオ推進者の側面などを考えると、堀江さんが土足ではなく靴を脱いでいれば、とても面白い提携ができたと思う。残念だが後の祭り。