動的文書操作環境

 午後、品川駅に直結した東京コンファレンスセンターで、アドビ社のエンタープライズ エグゼクティブ フォーラムに参加。5階の大会議場が満員。500名くらい入っている。

 金融問題の専門家で、コンサルタント会社KFi代表の木村剛さんの講演を聞いた。理路整然とした語りで、講義をそのまま本にできるような立派な口調であった。

 伊藤金融担当大臣の「金融重点強化プログラム」の話題が中心だったが、ITはツールなので使い方が問題などと、アドビを意識した発言もあった。

 木村さん、以下の通りブロガーである。

http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/

  

 その後、アドビ ナラヤン副社長による米国でのPDFの活用と、アドビ・ジャパンの担当者による昨日発表されたAcrobat7.0とインテリジェント ドキュメント サーバの紹介があった。ワーノックとゲシュケが引退した後、チザン社長はマーケッターなので、技術的なコンファレンスではナラヤンさんがキーノート・スピーチを行うことが多い。サンノゼのアドビ本社のカフェテリアでお見かけしたことがあるが、気さくな方である。

 Acrobat7.0は6.0が昨年6月に出たばかりなのだが、主に性能を強化したものである。

http://bizpal.jp/eijyo/20030611

 日本では高速生成を謳い文句にした互換製品があるので、純正のメンツをかけた強化のようだ。その他、2次元バーコードを使った印刷とデジタル・データの融合や、e文書法と個人情報保護法を踏まえたセキュリティー機能、PDFとXMLの融合などが説明された。

 数年間潜伏していたXMPがやっと頭を出し始めた。PDFはこれから、面白いツールや応用製品がたくさん出てくる予感がする。

  

 10年前、Display PostScriptが登場したとき、画面だからテロップなど文字が動くのだろう思っていたら、単に、表示デバイスをプリンタから画面に切り替えただけの商品で、ガッカリした記憶がある。

 そして今日、Acrobatは、入力、校正、機密保持、著作権管理、XML抽出など「動的文書操作環境」に育ってきた。

http://www.adobe.co.jp

  

【2005.01.05追記】

 木村剛さん(42歳)、2004年春に設立された中小企業向け融資専門の「日本振興銀行」の社長に就任。同行は東京青年会議所の若手メンバーを中心に設立。木村さんは筆頭株主

http://www.shinkobank.co.jp/