長 新太の「キャベツだより」

 残暑が厳しいので、何かすっきりした本を読みたいと思い、小さな書棚を眺めたら、青い背表紙の「キャベツだより」を見つけた。旺文社文庫で今は絶版になっている。(ISBN4-01-064256-4))

 長 新太さんはイラストレータで、とてもシンプルなペン画と、シュールな文章が並んでいる。

 親愛なる友よ。どうやら無事に夏は過ぎ去っていったのだろうか。この夏は、無数のスポイトがわたしを襲い、汗の一滴まで略奪していってしまった。わたしは海に浮かぶ巨大な一個のキャベツであるけれど、・・・ (c) 長 新太

 この「キャベツだより」は、雑誌「話の特集」(http://www.amazon.co.jp/gp/product/4872902149/)の連載で読み、その後、旺文社文庫に収録された。