平凡社カラー新書 「万年筆」

 これも、梅田晴夫さんの本である。

 万年筆の歴史、世界の万年筆メーカー、日本のパイロット、セーラー、プラチナという3大メーカーの生い立ちから、万年筆の製造方法まで網羅されている。

 オノト、ウォーターマンダンヒル・ナミキ、モンブラン、パーカーなど、カラー写真64頁も楽しい。慶應大学の校章、「ペンは剣よりつよし」から、シーザーとアントニオのペンと剣の戦いなど、面白いストーリーに溢れている。作家21人のペンに関する逸話も紹介されている。

 文中に古川ロッパ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91)さんの万年筆コレクションを貰い受けたとあるが、梅田さんの万年筆やパイプ、時計などのコレクション、何処にあるのだろうか。是非、息子さんに「梅田晴夫デジタル博物館」をWeb上に構築していただきたい。

 夕方から、京都大学の先生と東京駅で打ち合わせだったので、OAZO丸善4階の喫茶店へ。その後、この本にもたくさん登場する、丸善の万年筆売り場に行った。

 30万円以上の高蒔絵の万年筆がズラリと並んでいた。クオーツ時計ではなく、フランクミューラーやロレックスの機械時計と同じように、圧倒的に使い勝手が良いボールペンではなく、高級万年筆は一定の市場を持っているようだ。