Web+メールからブログ+SNSへ

 1994年秋のコムデックス。当時、世界最大のコンピュータ関連機器の展示会であったが、さすが4日目には客も少なくなり、会場は閑散としていた。しかし、一ヶ所だけ人だかりのする小さなブースがあった。モザイクの開発者マーク・アンドリーセンとベンチャー請負人ジム・クラークが設立した、ネットスケープ・コミュニケーションズ社である。

 あれから10年、ブラウザーマイクロソフトが覇権を握り、楽天Yahoo!など我々の生活にWebが浸透しつつある。

 同じ年のコムデックス、ビル・ゲイツ氏のキーノート・スピーチのタイトルは「Information at Your Fingertips 2005」。その通り、今、まさに私たちはパチンと指を鳴らすだけで、Webから得たい情報を手に入れることが出来るようになった。

http://www.est.co.jp/ks/pinfo/21iayf.htm

  

 電子メールは、WWW登場の遥か以前から、インターネットの基本機能として備わっていた。私は、今、自分から電話をかけることはほとんどなく、コミュニケーション手段の大半を電子メールに頼っている。

 このWebとメールの進化系として、ブログとSNS(ソーシャルネットワーク)を考えてみたい。Webの進化としてのブログ。これには異論がないと思う。誰もが簡単にWebに書き込めるツールとして、ブログは認知度を高めている。SNSは電子メール、メーリングリストを超えた、仲間意識を持てる空間作りを目指している。

 今、私はブログとSNSのビジネス利用を模索しているが、現状のBtoCの場合、本人の自由意志で参加している。これがBtoBとなった場合、強制的な参加となり、ブログやSNSに拒否反応を示す社員が出てくると思う。電子メールやMLで自分の意見が言えない者、文章の表現力が乏しい者、議論が文字で残ることを嫌う者もいるであろう。

 イントラネットであっても、ブログを使って、自分の意見を書き込めない人をどうするか。SNSに自分の顔写真を貼れないのみならず、SNS自体を拒否する社員もいるはずである。そのような人たちの意見も聞きながら、事業を進めようと思う。