W録画と追跡録画

 DVDレコーダーの年末戦争が面白い。戦争といっても日本の巨大家電メーカーの節度をわきまえた、紳士的な商戦である。

 今年、東芝Panasonicなどは W録画 をうたい文句にしている。CPUや画像チップが高速になれば、映像圧縮処理の多重化は可能だし、チューナーの二重化にそれほどコストはかからない。

 これに対して、SONYスゴ録PSXも番組追跡録画が特徴である。野球の時間延長への対応はPanasonic DIGAでも可能だが、SONY独自の「追跡アルゴリズム」で予約時間を修正してくれる。

 最初、スゴ録のこの宣伝を見たとき、GemStarのEPG(電子番組表)ではなく、インターネット上の番組サイト「テレビ王国」http://www.so-net.ne.jp/tviEPGを使うのかと思っていた。それにしては広告に「追跡録画にはインターネットへの接続が必要です」という注意書きがない。ネット接続なら、時々刻々変化する番組情報も正確にトラッキングできる。

 カタログやWebサイトを調べたら、TBSの電波に乗せて配信される普通のEPGデータをサーチし、最新の時刻に調整する機能のようだ。しかし、前後1時間の範囲内なので、臨時番組や大幅な時間変更には耐えられない。

 GemStarのEPGには番組IDのような概念はなく、単なる番組名の短い文字列で、しかも、[二]:二ヶ国語、[字]:字幕など、新聞のテレビ欄でお馴染みの記号も入っており、文字パターンでのサーチが難しいようだ。

 また、正確に編集されていないので、同じ番組でも再放送では少し番組名が違ったり、[二]が抜けていたりで、データの信頼性が低い。

  

 情報家電のホームサーバは、パソコンかDVDレコーダが担うはずで、日本の家電メーカー対マイクロソフトの覇権争いが、来年から激化すると思われるので、DVDレコーダーの今後の成長には注目している。

 もちろん、「ホームサーバは冷蔵庫」というジョークのような話にも、多少の信憑性は残っている。いちばん大きな家電製品だし、ここなら320GBのハードディスクが3台くらい簡単に収納できるし、ディスクの回転音以上の騒音が出ているし、冷却はお手の物だし・・・