アドビがマクロメディアを買収

 アドビがマクロメディアを買収するとのこと。買収金額は34億ドル(3600億円)分の株の等価交換で、秋までに手続きを終える。

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000050156,20082901,00.htm

 交換比率は0.69:1で、現マクロメディア株主は、合併後、アドビの株式全体の約18%を占めることになる。数年前、マクロメディアがアドビを買収する噂が流れたが、今回、逆の形で落ち着いた。

 マクロメディア(http://www.macromedia.com/jp/)は、今ではブラウザーのアニメーション・プラグインFlushとHTML編集ツールDreamweaverで有名だが、その昔は、マルチメディア・オーサリング・ツールDirectorで名をはせた会社である。

 1991年Directorの開発者であるマーク・キャンター(Marc Canter)率いるMacroMind社と教育用オーサリングツールのAutherWare社など3社が合併して出来た会社で、その際、マルチメディアのスターであった、マーク・キャンターが冷遇され話題となった。彼の講演は、1990年3月サンディエゴで開催されたSPA(Software Publishers Associations)のWindowsマルチメディア・コンファレンスなどで聴いたが、巨体を揺らしながらの自信と説得力に満ちたものであった。

 マクロメディア製品は、XMLなどの標準化や、データを外部に渡すエクスポート・フィルターなどが弱く、オープンな環境からは離れた存在だったが、アドビの買収により、SVG対応などが促進されると期待している。

 アドビReaderは全世界で5億本以上がダウンロードされ、Flushは軽い分、それ以上のユーザが存在する。何れも、日本の携帯電話で採用されており、アドビにとっても業界にとっても良い買い物だと思う。

  

 因みにマーク・キャンター氏は、ちょうど一年ほど前に日本にも吹き荒れた、ソーシャル・ネットワーク http://www.orkut.comの3人の元締めの1人で、本日現在、orkut上に763人の友人と211人のファンを持っている。