絶版のない世界を作ろう!

 http://bizpal.jp/eijyo/20050326で古瀬さんの本を紹介したが、古瀬さんは30年近く前からの知り合いである。

 日本初のMS-DOS上のワープロソフト「Jword」を開発していた頃、麹町で、「東大生が書いたパソコンの本」という解説本の続編のインタビューを受けたのが最初の出会いで、彼はまだ学生だったわけだが、強烈な印象を持った。

 それから、10年近く後、大修館書店の「しにか」1993年2月号「漢字コードと国際標準化」の座談会で司会をつとめる彼の名前を見つけてビックリ。てっきり、通産省にでも入って、立派な官僚になっているのかと思ったら、しっかり、日本のコンピュータの将来を見据えた論陣を張っておられた。

 お付き合いが再開し、彼が主宰するニフィティー・サーブ上のシェア・テキスト・フォーラムに川俣さん達と参加し、「絶版のない世界を作ろう!」という主張に感銘を受けた。確かにデジタルであれば、物流も在庫も経年変化もない世界を創ることができる。彼はそれを実践して、講談社ブルーバックスの「ワープロここが不思議」や他の著作「古瀬幸広の他山の石(IC)」、「ネットワーカーズハンドブック」など多くの書籍を、ソフトウェアを安価に提供するシェアウェア同様、皆さんにシェアしてもらう手法を考案したのである。

http://www.kk.iij4u.or.jp/%7Efuruse/profile.html

  

 「インターネットが変える世界」を出版された際、私も岩波書店関連の仕事をしていたので、一緒に当時の安江社長にご挨拶に行き、インターネットやデジタルについて、お話を伺った。帰り際、安江さんが古瀬さんに「また、よろしくお願いします」と深々とお辞儀され、もうひとつ、勉強させてもらった。

 「著者って、すご~く偉いんだ!」