50歳、65巻、70%

 日本印刷技術協会(JAGAT、http://www.jagat.or.jp)主催の展示会Page2005が本日スタートした。その関係で、今日は終日、池袋のサンシャイン60、文化会館、ワールド・インポート・マートをウロウロ。

 午前中は、立派な造花を胸にさして、開会式とテープカットに参加。その後、GoogleAmazon楽天の「Web:飛躍の原動力」と題した基調講演を聞いた。午後は、電子書籍ビジネスコンソーシアムのジョイントセミナー「読書端末と電子書籍ビジネスの最新動向」の司会。このセミナーの企画・運営も担当した。

 セミナーは前半が松下電器シグマブック(http://www.sigmabook.jp)の状況報告。昨年の2月に出荷が開始されたので、もうすぐ1年。昨年が電子書籍元年、今年は飛躍の年に!というスライドで終了。

 後半はイーブック イニシアティブ ジャパン(http://www.ebookjapan.jp)の電子書籍の動向報告。「海外在留邦人へのサービス」、「漫画のブレイク」、「東洋文庫と風景写真集」、「ソースネクスト社と提携した店頭でのイーブック販売」などの事例が紹介された。漫画の売上が急速に伸びており、北斗の拳10万冊、静かなるドン9万冊、ブラック・ジャック4万冊、女帝3万冊、コブラ2万冊と快進撃が続いている。その中で面白い数字が披露された。東洋文庫の購入者は70%が50歳以上! 団塊の世代がパソコンで難しい本を読んでいる。

http://www.ebookjapan.jp/shop/genre.asp?genreid=10002

 そして、「静かなるドン」を読み始めた人の70%以上が、最後の65巻まで購入! 驚くべきリピート率である。

 この漫画、「何でこんなに馬鹿馬鹿しいのだろう」と思いつつ引き込まれる読者が多く、「今、すぐに買える!」という電子書籍の最大のメリットが発揮されて、夜中にズルズルと300円ずつ払ってしまう人が多いとのこと。

  

【2005.02.04 sarumaruさんのご要望により追記】

 展示会は、例年の大型印刷機フロアーを駆け足で見て、クロスメディア・ゾーンへ。e文書法に沿った時刻認証サーバ(http://www.hypergear.com)、SVGベースのちらし編集Webツール(http://www.layoutmagic.jp)、クリークアンドリバー社のクリエイティブ・ワークスペース(http://www.any-jp.net:準備中)など小さなブースが面白い。

 最大の収穫は、前出の「Web:飛躍の原動力」セミナーと、Ron Roszkiewiczさんの「メタデータ利用の新たな展開 =コンテンツが王様なら、メタデータは王冠=」という論文。Seybold Reportの翻訳だが、小笠原さんの視点が冴えている。