Winter CES

 今日からラスベガスでCES(コンシューマ・エレクトリック・ショウ)という展示会がスタートした。コムデックスがなくなってしまったので、これが、現在、世界最大のコンピュータ関連の展示会である。

http://cesweb.org/

 CESはその名の通り、消費者向け電化製品の展示会として1967年にニューヨークでスタートした。ステレオなどのオーディオ装置の展示が多かったが、近年は、インターネット、パソコン、携帯電話、情報家電とその領域を広げ、遂には、11月のコムデックスを倒すまでの勢いとなった。

 参加を予定していたが、諸般の事情で行けなくなってしまったので、これから数日、日本のニュースサイトなどを見ながら、ここでご報告したいと思う。「講釈師、見てきたような・・・」というヤツである。

 明日以降の新聞に「ラスベガス、XX記者」として情報家電系のニュースがいろいろ載ると思うが、それらはすべて、CESでの出来事である。

  

 年末にCESのガイドブックが郵送されてきた。その表2に、XMradioという会社が見開き広告を出している。今流行の衛星からのデジタル電波を受信するサテライト・ラジオである。AM、FMの次はXMだと主張している。

 この広告ですごかったのは上の写真。1954年トランジスターラジオ、1979年ウォークマン、1984年ディスクマン、2001年iPODとある。つまり、ディスクマンまではすべてソニー製! これでは大賀さんが苦言を呈したくなるのも理解できる。

http://japan.cnet.com/column/market/story/0,2000047993,20075493,00.htm

 因みに、大賀さんがこのスピーチを行ったCEAは、CESの上部団体である。

 12月28日にソニーが音楽部局を数百人規模で作ったと報じられたが、ハードディスク・オーディオの市場をアップルから奪還するよりも、「iPODの次」を創造して欲しい。

 この広告では「次はXMradio」と訴えているが、それはありえない。現在の130チャンネルがたとえ440チャンネルになっても、シャワー型の放送ではiPODの後継は無理。個人が好む音楽をオンデマンドでネットから取れる仕組みが必要で、それは「着歌」として、すでに実現しつつある。パチンと指を鳴らすだけで、好みの音楽が空から降ってくる仕組みは、日本の携帯電話の進化に、ソニーの音楽部局が拍車をかけるのが近道だと思う。

 

 10年前、Comdex Spring(Atlanta)、Summer Seybold(San Francisco)、Comdex Fall(Las Vegas)、Winter CES(Las Vegas)と四季折々の展示会があったが、残ったのはCESだけ。インターネットの普及で、最新情報はWebから入手できるが、オフラインでのこのような展示会が、業界単位に一つは残り、巨大化していくと思う。

 いくらネットやブログ、SNSが広がっても、やはり、酒を酌み交わす生身のコミュニケーションは大切なので。